スイス産BLACK DOOM METAL大御所グループが1991年にリリースした名作1stアルバムの2020年仏OSMOSE PRODUCTIONS再発盤ジュエルケースCD!
同郷大先輩CELTIC FROST〜HELLHAMMERのスロー&ドゥーミー暗黒ブラックの正統な後継者といえるグループですがBLASPHEMY、SARCOFAGO同様 「SAMAEL的な」という形容詞をも生んだ模範グループのひとつ!
かといってスタイルに固執した在り方ではなく、時にちゃんと疾走パートをも取り入れながら展開するBLACK METALマスターピースとして仕上がった全10曲でその影響力にも納得の一枚となっております!
ブラックメタル・バンドSamaelが1991年に出した1stアルバム。ここで紹介するのは2013年にCentury Mediaが再発したヴァージョンで、本編10曲に加えVenomのカヴァーやライヴ音源などがこれでもかってぐらい詰まってます。
4thあたりからインダストリアル路線に転向。2017年の時点で11枚のアルバムをリリースしているのですが、現在私が持ってるのはこれ1枚のみ。故郷の先輩Celtic Frost由来のネチネチした厭らしい陰湿さと、トレモロリフを多用するプリミティヴなブラックメタル。その両方の要素が入っているのですが、曲のほとんどがスロー〜ミドルテンポ。ヴォーカル、演奏共に安定しており、音質もクリアで良好なのですが、この雰囲気は聴き手を選びそうです。大体において、数あるVenomの曲の中からスローでドゥーム寄りの "Manitou" をカヴァーするセンスからして、推して知るべしといったところ。
冷たいシンセのイントロで幕を開ける#1 "Sleep of Death" は、25秒目あたりから本編開始。刺々しいギターの音に、緊迫感のあるリフ。そして、ブラックメタル以外の何物でもないひしゃげたスクリーム。邪悪な突進力と、ブラックメタルとしての普遍的なかっこよさがあります。1991年という、ブラックメタルの黎明期が始まるかどうかという時期にこんなかっこいい曲を作るとは。
1曲目は勢いのある普通にかっこいい曲だったのですが、からタイトル曲の#2 "Sleep of Death" から早速雲行きが怪しくなります。Celtic Frostの最も陰湿な部分のみを抽出したかのような、じっとりまとわりつくスロー曲。ドゥームメタルっぽい要素もあるのですが、ヴォーカルが凶悪ながなり声なのとギターの音がささくれまくってるせいで、ドゥームとも違う禍々しさが滲み出ています。
#4 "Morbid Metal" はスラッシュじみた刻みリフで、ブラストビートも入っており、リフの展開も多彩。なので序盤はかっこいい…♡ ってなるのですが、気が付けばいつの間にかスロー。やはりこうなるのか…。でも、本作の中では1曲目の次ぐらいに好きな曲です。
アルバム後半の幕開けとなる#6 "The Black Face" は、トレモロリフとブラストビートで疾走する、2nd Wave ブラックメタルの雛型とでもいうべき曲。かのDarkthroneが「A Blaze in the Northern Sky」をリリースしたのが1992年。その1年も前にプリミティヴ・ブラックの原型を完成させていた彼らのセンスと先進性を、じっくり味わいましょう。
ボーナストラックの#11 "Manitou" はVenomのカヴァー。オリジナルは1984年。選曲が選曲だけに、アルバム本編に何の違和感もなく溶け込んでいます。
時期的にも音楽的にも、1st Waveと2nd Waveの中間ぐらいの作風。ブラックメタル黎明期の名盤です。ただ、リフの組み方や曲の構成などにドラマ性を感じることはできますが、全体的にスローで陰鬱だし、判り易いメロディが入っているわけでもないので、現在の一般的なブラックメタルとはちょっと違った雰囲気ではあります。
販売価格 |
1,980円(税込)
|
型番 |
Osmose Productions |
在庫状況 |
SOLD OUT |